一ノ瀬 羅衣は、進級したての高校3年生。


クラス替えにより同じクラスになった中村 民子は彼女の幼なじみである。







話はちと前に遡ろう。







中村 民子は、恋をしていた。


元々恋多き可憐な美少女である彼女は…常に男のいる華やかな高校ライフを送っていた。


…が、

数いる男の中でただひとり…


彼女に興味を示さない男がいた。



それが…


渡 蒼生。



同じく3年の、王子的存在……。



民子は接近を試みるけれど、ロクに相手になどされず……



意を決して愛の告白へと踊り出るが。



「無理。」…と…、バッサリ。



これには民子は腹を立て、振られた理由を問うけれど…。


「無理だから。」


一貫した「無理」発言。





そこで民子は…一ノ瀬羅衣を捕まえて、付き合えない理由を聞いて貰おうと…相談を持ち掛ける。



なにせ、百戦錬磨であった民子のプライドが…崩れかけていたのだから……。


一方の羅衣は、男にはとんと無頓着。

姐御肌の気のいい奴であったので。女子に頼られちゃあ彼女も弱い。


渡の鼻を明かしてやろうと、重い腰を上げて……




ひと言、説教でもしてやろうかと思った結果が…





「アレ」であった。