放課後……。
「集合です!」
羅衣の呼びかけにハイっと甲高い声を上げて。
体操部の部員達が…後藤を囲む。
爪先でキュッと立って。
「ありがとうございました!」
……挨拶をする。
ちょうど、コートの向こう側でも……、
バスケ部が挨拶を終えて、ボール片付けやらモップ掃除やらが…始まっていた。
「……羅衣~?帰らないの?」
「うん、ちょっと……。」
「そう?じゃあお先に~!」
「はいは~い!」
マキに手を振って。
しばらく壁に寄り掛かって待つけれど…。
なかなか男子バスケ部のメンバーは帰ろうとはしない。
おまけに……、
1年生らが念入りにボール磨きを初めてしまっていた。
「………。コレ…、いつ終わるの?」
羅衣は次第に居づらくなって。
待つ場所を変えようと…
鞄を持って立ち上がった。
すると……。
「一ノ瀬!」
渡に…呼び止められる。
「峰岸先生、少しだけ自主練していっていいっスか?」
彼はそう断って……。
羅衣に手招きする。
「おまえらやっぱデキてたん?」
「そーゆーんじゃないから。てかおまえら早く帰れっ。」
「…………。」
そういうんじゃ……ない。
そんなことは…重々わかっている。
だけど今日だけは……
そんな些細な言葉でさえ、どこか引っ掛かる。
「……一ノ瀬…?」
「…え、あ……はいっ。」
「1時間くらいならいいって。」
「……そう。」
「………?元気ない。」
「…いや、全然!元気元気!」
「………。そっか。じゃあ…まずはシュートでも打ってみるか。お手並み拝見。」
「おーよ!」


