「……一ノ瀬いる?」
羅衣の元へと、再び……マイペース男が参上!!
「…………。一ノ瀬はおりませんが。」
「オイ…。」
「何か言付けでもしましょうか?」
「………。じゃあ廊下に来いって伝えてくれる?」
「わかりました。伝えておきます。」
羅衣はそう言って立ち上がると……、
渡を置いて、さっさと教室の外へと出て行ってしまった。
「…なんの茶番?」
二人のやり取りをみていた民子が…渡へと声を掛けた。
「……さぁ…。」
「ぶっちゃけ聞くけど。渡くんと羅衣って…どうなってんの?」
「どうって…?」
「随分と仲良くなったみたいだからさ。」
「……。そう?」
「うん。…で?羅衣とそーゆー関係?」
「………。たみちゃん。そーゆーのってどういうの?」
しれっとした顔で…渡の質問返し!!
「……ラブの方。」
「………。あの人にそーゆー感情ってあると思う?」
「…………。……いや……、う~~ん、どうだろう。」
「…じゃあ…、そういうことかな。」
「……は?」
「単純に、面白いんだよねあの人。」
「それはわかるわ。」
「だから……、気が緩む。」
「………!」
「多分…それだけ。」
渡はにこっと笑って。
羅衣を追って…廊下へと向かう。
「……おいおい…、ヤバいでしょ今の笑顔。それだけって…、十分なくらいじゃん。」
中村 民子……。
久々に、胸キュンした瞬間であった。


