ゴン…☆
…と、鈍い音がして。
一人の女が…ソファから転げ落ちた。
「痛い……。」
どうやら、テーブルの角に頭をぶつけたらしい彼女は、そこを手で撫でながら……
ゆっくりと、ラグの上から起き上がった。
「………。……なんちゅー夢見てたんだろう…。」
漠然としか覚えていない……夢。
だけど、その中に出てきた存在だけは……
ハッキリとしているらしく。
「大丈夫か……、私。」
朧げな記憶の中で、その人物が過去に羅衣に投げかけたっあろうその言葉が……
夢となって、再構築されてしまったのだから……
後味が悪い。
麗らかな昼下がり。
久々の休日。
ののんびりとした空間が……
何度も、夢の中へといざなう。
「…………。何でこんな日まで奴を思い出さにゃあイカンのよ。時間の…無駄だ。平和な休日を邪魔するとは……。」
「……うん。邪魔。掃除ができない。」
いつの間にか……、
すぐ側には、掃除機を手にした……母親。
「こんな清々しい天気のいい日に…家でゴロゴロ。ホンッと、時間の無駄よね。」
「……………。」
「そんな真っ白い腕じゃあ折角のムチムチも台なしだわ。若者は…もっと太陽の下でEnjoyしないと♪」
「…………。はい…。お散歩行ってきま~す。」
呈のいい邪魔者扱い。
羅衣はしぶしぶと……部屋へと戻って。
さっさと着替えを済ませると……。
玄関の外へと、飛び出したのだった。


