噂は……




瞬く間に広がって。







数日後には……






とんでもない結論を見出だしながら、





落ち着いていく………。
















「……私に一体なんの恨みが……。」







入れ替わり立ち代わり彼女を見物にクラスまでやって来る生徒達に、羅衣は日に日に…げっそりしていく。








誤解が誤解を生むとは…こういったことなのか?







これまで割と親しくしていた女友達が、少しだけ…よそよそしくなっていた。






「……災難ってか…、アンタってどうしてこうなっちゃうんだろうね。」



民子が周囲の変化に気づかないハズもなく…。



机に頬杖をついて、一緒になってため息をつく。






「…で。どうなの、実際?」



「……ハ?」



「ラブは生まれてないワケ?」



「いやいや有り得ないし。てか…、あれ以来口もまともにきいてないのに?」




「……。ふ~ん…?」




「……。たみちゃん、何故楽しそうなの?」




「え~?だって、相手は王子だし。」



「……だから?」



「手強い男じゃない?」



「だから?」



「翻弄される羅衣、はじめて見た。さすがは王子だなあって。」



「たみちゃん!どっちの味方?」



「……あはは、もちろん羅衣だよ。でも…、ちょっと楽しいじゃない?」



「………。」



「…男に興味のない羅衣が、変わっていくきっかけになればいいと思うよ。」



「…………たみちゃん……。いやいや、奴に限っては有り得ないってば。」



「何言ってんのよ!構ってもらえるだけ有り難いと思わないと。あんな良い物件なかなかないよ?」



「物件って。」




「……最良物件でしょ~?」




「………。そんなに誉める理由がわからん……。」




「今はそうでも。じわじわと…わかるもんだよ。折角お近づきになったんだし、話すうちにとか…十分可能性はある!」



「…ないね。」



「…いーや、ある!」



「ない。」





「………。恋愛においては私の勘は鋭いのよ?」




「………。とにかく!絶対にナイから!てか、いい加減あっちに優位に立たれるのも…腹立つかも。」




「……と、いいますと?」