『…げ、折角波にのってたのに!』
意識し始めた羅衣は、どうにも気恥ずかしくなり………
なんでもないただのターンで、
見事にすってんころりん!
ただでは起き上がるまいと、ブリッジした状態から後方に身体を起こそうとした所で。
「……………!」
彼女の逆さまになった視界に……
ワタリの姿が飛び込んできた。
こともあろうに、何故か最前列に座って…、拍手喝采!
『………な…なにアレ…。』
やや戸惑いつつも、演技は…続行。
いつもよりも緊張しているせいか、息が上がるけれど、
最後…
フィニッシュは、
後方転回から抱え込みの2回宙返り。
「…おっと…。」
ちょっと着地が乱れたものの…
なんとか……
無事、演技の終了!
割れんばかりの拍手の中で……
羅衣はチラッとある方向を見た。
そう、
『どんなもんだ!』
と言わんばかりに……。


