「もしかして、一ノ瀬の初めての男って……。」




「……。アンタだよ。悪かったわねェ……。」





「………。うわ……、嬉しいかも。」



「………?!」



「じゃあ…アンタとあんなことやこんなことすんのは…俺だけってことじゃん。」



「…………!ちょっ…!!何を言うかな……。」




「……いーじゃん。きっとどんどんハマって…逃げらんなくなる。」



「………変態……。」



「アンタがそれ言う?」




「……学校の女子の皆さんにバラしてやりたいわ。」



「………。あー……。多分、誰も信じないんじゃない?」



「すごい自信…。」



「だって、アンタにしか…見せないし。」



「…………?!」



「変態な…、俺。」









渡は、羅衣を引き寄せて……。


強く、強く……



抱きしめる。





「…痛いよ、ワタリ……。」




彼女の肩に頭を置いて。



「いーんだよ。」



ぽつりと…呟いた。







「好きになってくれて……ありがとう。」






羅衣の頬を流れた涙が、渡の頭へと……ぽたりと落ちた。