「俺がしたことを許して欲しいとは思わない。だけど……、歯止めもきかない。」
「……………。」
「ここに来た理由も…一つしかない。頭で考えるよりも、もっと。多分……好きなんじゃない?」
渡の手が……
するりと離れていく。
「アンタはいつもいつも人を惑わせて……なんなのよ、ホント……。散々振り回されて?挙げ句に『多分』って何?確信ないまま中途半端に告白されて…、『ハイそうですか』なんて誰が納得できるかっての!!」
ばちこ~ん…☆
…と、渡の頬に…
羅衣の平手打ちが飛ぶ。
「簡単に……、おとせると思うなよ、バーカ!!!」
「…………。…暴力女。」
「だから…、その捻くれた口ッ、なんとかしなよ。」
「一ノ瀬がなんとかすればいいじゃん。アンタのひと言で…俺の毒舌なんてどうとでもできると思うけど。」
「……はあ……?!」
顔を見上げてくる渡の、キラキラビームにやられたのか……、
羅衣はつい…、彼の口元に目をやる。
形のいい唇が、まるで誘いかけてくるかのようで………
ゆっくりと、少しずつ…近づいて。
「変態ッ!!」
ばちこ~ん…☆
もちろん、理性の……勝利。
「「………………。」」
二人の間に、微妙な空気が……
流れる。
「………。引っ掛かればいーのに。」
渡はそう言って、ぽんぽんっと…羅衣の頭に触れた。
いつかも聞いたような…台詞だ。
「困らせて…ごめん。」
「え……?」
彼は少しだけ微笑んで……、
ゆっくりと、手を離した。
「………。そうだ、何しに来たのか忘れる所だった。」
「……は?」
「バスケ…、ちゃんと勝ったみたい、アンタのクラス。」
「……あ、ああ……。それは良かった。」
「じゃあ俺そろそろバレーの出番だし…もう行くわ。」
「……うん。」
「じゃ、そういうことで。」
「あ……、ハイ。わざわざどうもー……。」


