「悔しいし、情けないけど……。アイツの方が、ちゃんと一ノ瀬を…見てる。さっきの見て…すげー感じた。」
「………。」
「……この話聞いて…、きっとドン引きした…よな?」
「……ううん……。」
「傷つけて……ごめん。」
「…………。」
羅衣はまた、小さく首を横に振る。
「悪いのは…、私。高梁くんが…謝らなくていい。」
「………。いや、謝りたいんだ。……ごめんなさい。」
真っ正面から……
羅衣に頭を下げる…高梁。
彼はそのまま、言葉を……続ける。
「……これで全部……。俺のことは話した。全部知った上で……、俺を選んで欲しい。」
「……え……?」
「選べとかって偉そうだけど……。でも、ワタリじゃなくて…、俺を見て欲しい。」
「…………。」
「余裕ないの…、バレバレだよな。カッコ悪……。」
「…………。」
「ごめん…、恥ずかしいわ。……限界ッ。」
「え………。」
「とにかく……、そういうことだから!」
「……うん。」
「足…、大丈夫そう?」
「うん、大丈夫。」
「……これ以上一緒にいると…好きすぎて何するかわかんないから、ゴメン……先に行くわ。」
「……えっ……、うん、わかった。」
「…じゃ……」
「あの……!」
「………!えっ?」
「………ありがとう。」
「………?!」
「…話してくれて。」
「……いや、それは…」
「…ありがとう。」
「………うん。」
お互いに顔を合わせて、二人は…照れ臭そうに…笑う。
高梁は少しホッとした表情で……
保健室を後にした。
………が、
部屋を出たすぐそこに……、
思いもがけず、渡が…壁に背を付けて、立っていた。
高梁はゆっくりと扉を閉めて……。
それから、渡に向き合う。
「……人に任せておいて…こんな所で何してんの?」
「………。……ストーキング?」
「……アホ。気色悪いこと言うな。一ノ瀬が…気になる?」
「…………。」
「捻挫だって。大したことはないみたいだけど……。」
「そっか、わかった。」
渡はそのまま高梁に背を向けるけど…、
高梁がそれを引き止めた。


