「ライバルなんかじゃない。それに、あの人……、ワタリの元カノ。ヨリでも…戻したんじゃない?」
「は……、はぁあ~??!!!」
マキの声が……、体育館に響き渡る。
体操部員も、
渡を見ていたはずのギャラリーも、
コートの向こう側でパス出ししていたバスケ部員達も、皆一斉に…
彼女らに視線を向けた。
当然の如く、渡や高梁も見ている訳で……。
羅衣は、取り敢えず我関せずと……
口笛吹きつつよそ見を決め込む。
「…こらっ」
ばしっ☆
「誰の…」
ばしっ☆
「…せいだと…」
ばしっ!☆
「思ってんの~?!」
ばしぃっ☆☆☆
「……何してんだろ、一ノ瀬達…。漫才?」
「…さあ…。」
ペアを組んで練習に励んでいた高梁と渡は…
自分達の置かれいる状況に……
気づいてなどいなかった。


