タカハシの予告。
「……なーんちゃって。」
タカハシに、いつもの穏やかな笑顔が…戻ってくる。
羅衣は、その…くるくると変わる表情に、釘付けになる。
自分とは違う…生き物。
タカハシはきっと…、そうやって、要領よく何でもそつなく熟してきたのだろう。
ちゃんとぶつかって、自分なりに物事を消化して、
上手く…立ち回れる。
これは、タカハシがかけた魔法なのか……?
はたまた、罠なのであろうか……?
まんまと…かかってしまった彼女は、好きという感情があるかは別として……。
顔が……
みるみると赤くなっていく。
真っ向からの宣言。
揺さ振られる……心。
「……そう簡単には…騙されないよ。」
意固地になって、可愛いげのない台詞を吐いてみるけれど……、
舞い上がっているのか……?
いつもの勢いは……ない。
タカハシが余りにも的を得たことを言うから……動揺もあったのかもしれない。
自分だって、人を傷つけてきた。
彼女のトラウマと言うべき部分が……
剥き出しになってしまったのだ………。


