「でね、檜さんが彼女を見る目がすごく優しくて、お互い好き合ってるんだなって思ったら、すごく切なくなって・・・」


 「私、バカだよね。檜さんに彼女いること知ってたのに・・・。ちえりに紹介して貰って、檜さんに会ったら話すのが楽しくてもしかしてチャンスがあるんじゃないかって思ってたの」


 私はエリカの頭を撫でて、ゆかりの顔を見た。


 ゆかりもどう声を掛けていいのかわからない顔をしている。


 ゆかりは私に目配せをすると、グーを作った片手を高々とあげた。


 「よし!カラオケ行こう!!・・・行ってすっきりして、忘れよう!!」




 2時間の熱唱の後、私たちは駅ビルにやってきた。


 ゆかりが雑誌を買いたいと言ったので、私とエリカは本屋に付き合うことにした。


 本屋の中をぐるぐるとエリカと回っていると柏からメールが届いた。
 

 ちえりの住んでるのって■■駅だっけ?

  
 -そうだよ!


 日曜日、18時に改札口の所に来てくれない?


 日曜日?日曜日はエリカの失恋を吹っ切るために遊園地に行こうってさっきカラオケで・・・まぁ、18時までには帰るよね?


 -OK


 柏に返信すると、エリカが誰から?と訊いてきた。


 柏からだよと教えると、