お姉ちゃんはトイレに駆け込んだ。


 チェリーの下はカスタードクリームになっていて、砂糖の配分を間違ったのかありえないくらい甘い。


 全部食べたら胸焼けしそうだ。


 ・・・ごめん、柏に恋する少女、私もギブアップです。


 そっと残りのタルトを箱に戻した。



 
 どんなに恋する気持ちが大きくても大きすぎたら失敗をする。


 このチェリータルトのように。


 結果的に私が食べることになってよかったなって思う。


 これを食べた柏がその子に文句を言ってる姿を想像したらぞっとした。