(クリスマスケーキの残りでゴメン!デコレーションに使って。店内の装飾はそのままにしておくから、明日、撤去ヨロシク! 紅葉)
渾身のパンケーキを持って再び店内へと戻った。
店内の真ん中に置いてあるクリスマスツリーの電飾が点灯している。
僕の足音に気付いたイチゴちゃんが顔を上げた。
「すごい、楓くんが作ったの?」
テーブルの真ん中に特製パンケーキを置いた。
まん丸のパンケーキを重ねて、てっぺんには兄がくれた苺と生クリームでデコレーションをした。
「お好みでどうぞ」
メープルシロップの入った小瓶を横に置くと、たくさんかけてとイチゴちゃんが頼んだ。
円を描くようにたっぷりとメープルシロップをかけた。
電飾の光が反射してゴールド色のシロップはキラキラ輝いている。
「イチゴと楓のコラボレーションだね」
「改めまして、メリークリスマス」
紅茶のカップで乾杯した。
早速、パンケーキに手を伸ばし、口に含むと、さっきまで落ち込んでたのが嘘みたいに満面の笑みになった。
彼女の笑顔がパンケーキの成功を教えてくれた。
「せっかくだから、楓くんも一緒に食べよう」

