「・・・残念だけど、この間、お邪魔した時に家で食べる分、予約したの。私はイブの夜はバイト入れちゃったんだけど、妹が取りに行くと思う」
そっか、タイミングが悪かったかな。
「あ、でも、個人的に楓くんの作ったパンケーキもう1度食べたいかな」
「え?あれを?」
「うん」
イチゴちゃん大きく頷く。
「クリスマスの日は何か用事ある?夜・・・そうだな、遅くなっちゃっていいなら10時頃に店に来れる?」
「バイト入れてるからもっと遅くなっちゃうけど、それからでいいなら・・・」
「イチゴちゃんのバイト先ってどこ?」
「あ、うん。バイト先はーーーー」
じゃあ、またねと言って電話を切ると、僕は奇跡的な偶然に可笑しくなって笑った。
クリスマスまであと2週間とちょっと。
それまでパンケーキの練習しないと。
★
「秋川くん?」
「あ、池見先生」

