図星だ。
「今日、ここに誘ったのは、蓮の気持ちが知りたかったから。蓮があの子に気持ちが向かってるって解ったから、私はもう脱落するわ。でも、あの子がヤキモチ妬く姿、面白いからもうちょっと楽しむから。それ位は許してよね」
女の人って怖い。
トイレから戻ってくる池見先生を見つけて、何事もなかったかのように手を振る百合さんを見てそう思った。
「次はメリーゴーランドに乗ろう」
池見先生の腕を組み、目の前のメリーゴーランドに向かう百合さんに対抗して、茉雪は僕の手を握った。
僕は握られた手を解いた。
「僕は見てるから茉雪、乗ってきなよ」
うん、茉雪は曖昧な表情をすると百合さんを追って行った。
★
「秋川」
「秋川ってば」
「ねぇ、何か怒ってる?私、怒らせるようなこと・・・」
イライラのピークが最高潮に達し、後から追ってくる茉雪を無視してぐんぐん歩いた。
絶叫マシーンに酔って気持ち悪いのもあって、気分は最悪だった。

