だから百合さんの前で慣れない嘘をついたり、無理して愛想笑い浮かべたり、何か悲しくなってきた。
僕と付き合ってるって池見先生に見せ付けて茉雪は何がしたいんだろう?やってて虚しくならないのかな。
それに付き合ってる僕も、何を期待してたんだろう?
「ジェットコースター乗ろう!」
池見先生と腕を組んで嬉々とした百合さんの後をついて、次のアトラクションへと向かう。
あまり絶叫系好きじゃないんだけど・・・
トイレに向かった茉雪と池見先生をメリーゴーランドの前のベンチに座っているとタバコを吸い終えた百合さんが隣に座った。
「池見先生と付き合ってるワケじゃないんですね・・・」
ここぞとばかりに質問をする。
百合さんは足を組んでふぅとため息を吐くと、
「彼女になりたいってずっと思ってはいるんだけどね。あなたもあの子と付き合ってるワケじゃないんでしょ?」
池見先生の前とは違った冷めた感じの声で逆に訊ねられた。
気付かれてたか・・・この人、自分のペースで進めてるつもりで、周りを
見てるんだ。
僕は百合さんの質問には答えなかった。
何も言わないでいると、百合さんはフッと笑った。
「私が蓮のこと好きだって言ったら、すごい焦ってたもんね。彼氏いますなんて見えついた嘘吐いちゃって。あなたもバカよね、あの子が好きなんでしょ?だから、こんな茶番に付き合ってる」

