恋するplants



 教育実習生だった池見先生が担当クラスの生徒とは違った僕のことを覚えてくれているのか解らないけれど、頷いていた。


 当時、くるくるのパーマをかけて、細身のスーツを着こなしていた池見先生とはだいぶイメージが変わっていた。


 まっすぐに戻してアシンメトリーにしてる。


 スーツ姿しか見たことない僕は私服の池見先生は新鮮だった。


 歳はそんなに変わらないはずだけど、高校生の頃は大学生がすごく大人っぽく見えた。


 久しぶりに再会したら、以前よりも幼く見えるのは僕も大人になったってことなのかな。


 チケットを買って園内に入ると12月に入ったからか、どんと大きなクリスマスツリーが構えてた。


 百合さんの提案でそれぞれ2ショットでツリーの前で写真を撮らされた。


 茉雪の笑顔が引きつっていた。


 僕と同じように茉雪も池見先生の彼女が苦手らしい。


 「何から乗ろうか?」


 園内の地図を片手に百合さんが池見先生の腕を取った。


 「何すんの?」

 池見先生が慌てて腕を解いたので、あれ?と思った。


 2人は付き合ってるんじゃないの?頬を膨らませて拗ねる百合さんに諦めたような表情で付き合う池見先生。


 人前だから?でも腕を組むくらい付き合ってるんだからいいじゃないか。