僕の片思いの相手、茉雪ぼたんは週に3日、公園内にあるファミリーレストランでウェイトレスのバイトをしている。


 今日は彼女に会いにきたのだ。


 彼女の働くレストランでランチを食べ、終わるまでの時間、図書館で執筆活動の続きをしていた。


 僕たちは図書館を出てすぐに設置されているベンチに腰かけた。


 隣に並ぶ自動販売機でコーヒーを2つ買う。


 缶コーヒーはサイフォンで淹れるコーヒーと違って香りもいまいちだし味に深みもない。


 でも、これはこれで好きな味だった。


 図書館の前にはイチョウの木の林になっていた。


 黄色く色づいた葉が落ち、足元に散らばっている。


 落ち葉の絨毯に銀杏が転がっているのが見えた。


 びゅっと風が吹き、隣に座る茉雪のポニーテールを揺らした。


 秋深し、ここ2,3日でまた冷え込むようになった。


 プルタブを開け、1口コーヒーを啜る。


 何故かため息が出た。


 僕が今日、こうして茉雪に会いに来たのには理由があった。


 今朝のことだった。


 郵便受けに届いてた僕宛ての手紙。


 それを見たらいてもたっていられなくなり、ここに来てしまった。