★
「あなたがぼたんちゃん?ぼたんちゃんのことは蓮から色々聞いての」
その女の人は私の向かいの席に座り、品定めするみたいに私を頭から足元まで視線を流した。
長い髪を耳にかける動作をした後、両手を顔の前で組み首を傾げるとにっこりと笑う。
「始めまして。夏木百合(なつきゆり)って言います。蓮とは大学の同級生だからぼたんちゃんの先輩に当たるのかな」
11月に入って、気温も低くなってきてるのにざっくりと胸のあいたニットのミニワンピを着ている。
形のいい肩が露になっている。
仕草といい、格好といいいちいちエロい。
何か苦手だなこの人・・・先入観にとらわれる。
「お待たせ」
蓮がマグカップの乗ったトレイを持ってカウンターから戻ってきた。
カップは3つ。
せっかくここで会ったのも何かの縁だし、一緒にどう?いいじゃんコーヒーおかわりしたってと蓮に乗せられて頷いちゃったけど、私って明らかに邪魔だよね?百合さん挑発的な目で見てるんですけど~。
蓮がそれぞれのコーヒーを配り、百合さんの隣に座る。
私は勢い良くカップに口をつけた。
飲んだらすぐに帰ろう作戦だ。

