「ま、蓮くんはいいけどね」
「ね~、一番イケメンだしね」
「教師だっけ?」
どうしよう?声かける?かけない?・・・やばい、ちょっと泣きそうかも・・・
「茉雪」
突然、名前を呼ばれた。
俯いてた顔を上げると、そこに池見先生が立っていた。
「池見先生?」
思わず、あの時のままの呼び方をしてしまった。
池見先生は呆然とする私の腕を掴んだ。
「何?」
「ぼたんちゃんいたの?」
化粧を直し終えた麻田さんたちがいつの間にか後ろにいた。
私は麻田さんの方を見た。
気まずそうな顔をしている。
さっきの話聞かれたって思ってる?それ正解。
「あの・・・」
あ~、続きが出てこない。
何事もなかったかのように振舞う?それが無難だよね・・・

