「プロミスリングっていうらしい。学校以外ではこれをつけること。わかった?」


 頷くとそのまま檜の頬にキスをした。


 檜は辺りを見回して誰もいないことを確かめると、今度は唇にキスを返した。


 もう絶対、檜しか見ないから。


 今日渡した向日葵に花束がこれからも隣にいる証だからね。




 駅につくと改札を通ろうとする檜のTシャツの裾を引っ張った。


 「檜、あのね」


 檜の耳元に片手を当て小さく呟いた。


 「今日はずっと檜といたいな・・・」


 檜ははにかむと、


 「ラブホ行く?」


 と囁き返した。


 「こ・・・高校生同士だけど、大丈夫かな?」


 檜はにんまりと笑うと定期入れの中から桂さんの学生書を取り出した。


 「兄貴の机の中から借りてきた。これくらいは見逃してくれるだろ?俺たち結構、似てるって言われるんだぜ?」


 何となく冗談に聞こえなく引きつった笑いになってしまった。


 「行こう」


 檜は私の手を握ると再び夜の街へと繰り出した。




     (恋するひまわり おしまい)