今日は猛暑日なのも手伝ってお店はとても忙しかった。
予定終了時刻よりだいぶ遅れて仕事をあがると、おばさん(マルちゃんの
い母さん)が、
「今日は忙しかったわね。お疲れ様。お茶してって」
そう言ってくれたのでお礼をいい店内の空いてる席、夏場は使っていない暖炉の前の木の椅子に腰掛けた。
奥からお盆にグラスを2つ乗っけてマルちゃんが現われた。
マルちゃんはグラスの1つを私の前にもう1つを向かい席に置くと、そのままその席に座った。
グラスの中はレモネードだった。
氷の中に浮かんだミントが微かに匂う。
口に含むと甘さと酸っぱさが口の中に広がる。
「何かあった?」
マルちゃんの唐突な質問におもわずむせそうになる。
「何で?」
「何か、今日は少しぼぅっとしていいるように見えたから」
「気のせいだよ」
気付いたら否定していた。
嘘、今日は度々、檜と桂さんのことを考えてた。
桂さんはああ言ってくれたけど、気になってしまって仕方なかった。

