球技大会での参加種目を決めるとき、クラスの女子はマルタを除いて非協力的だった。


 実行委員に私を指名して、そんな私を困らせて笑っているのが悔しかった。


 だから、マルタが強制的に女子の出場種目を決めて、ホームルームで発表した。


 「女子の希望がなかったようなので、実行委員としてこちらで出場種目を決めさせて貰いました。決定に不満がある場合は放課後までに私に相談してください」


 きっぱりと発言してぐぅの音も出なかった彼女たちを表情を見て、仕返ししたような気持ちになった。


 実際、放課後まで私の所に来た女子はいなかった。


 確かに予兆はあった。


 バスケットボールの練習に誘っても無視されていた。


 だからってこんな仕打ち・・・全員参加の学校行事だっつうの。


 他の種目(私は出場しない)には出てたのに・・・イライラしながら体育館の端に座りこんでいると、クラスの男子が息を切らして入り口からこちらに向かって走ってきた。


 「いた。クラスの女子たち、隣の体育館でバレーの応援してる」


 確か隣の体育館では、小山紫苑のクラスがバレーの決勝戦が行われているはずだ。


 ぷちんと私の中で何かが弾けた。


 立ち上がると体育館の入り口へと向かう。


 「春風さん?」


 マルタが心配そうに名前を呼んだの無視した。