「そりゃ、女子から嫌われるわ~」


 くすくすと笑い合う声が聞こえた。


 別に自分のものなんて思ってない。


 自分をかわいいと思っててなにが悪いの?嫉妬してるくせに。


 「隣のクラスの子から聞いたんだけど、超性格悪くて1年の時、クラスでハブられてたらしいよ。小石川と白根くんが可哀想に思って一緒にいたあげたんだって」


 「ナイトに守られるお姫様気分?小石川いないと何もできないのね~」


 最悪・・・性格悪いのはお前らだ。


 聞こえるように言ってんじゃねぇよ。


 机の下でぐっと拳を握りしめる。


 悔しい、でも面と向かって文句が言えない自分が情けない。


 「おはよう、春風さん。髪切ったのね」


 「・・・おはよう」


 マルタか、いつの間に。


 気付かなかった。


 マルタは血色のいい顔をしてカバンを机の横にかけると席についた。


 耳の上にリボンの髪留めがつけてある。


 私が選んであげた芹からマルタへのプレゼントだ。


 全然似合わないなそう思ってマルタを眺めていると、