恋するplants



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 春休みに入り、書道部の面々は体育館にジャージ姿で体育館に集合した。


 桜まつりの野外イベントは今週末に迫っている。


 体育館には青いビニールシートが敷かれその上に巨大な紙が置かれている。


 いよいよ、本番さながらの練習のスタートだ。


 体育館の入り口から黄色い声が上がり、びっくりして振り向くと丁度、アイドル部の部員たちが現われたところだった。


 芸能人がいるかのように女子生徒たちが携帯のカメラを彼らに向けている。


 押さないでくださ~い、練習は非公開で~す。


 彼らのマネージャー(?)らしき、制服を着た男子生徒数人が入り口のドアを閉め、中を覗かれないように暗幕を引いた。


 「すごいですね・・・アイドル部の人気って・・・」


 「女のパワーってすごいよな。よくあれだけキャーキャー騒げるよな」


 暗幕が引かれてもなお、メンバーの名前を叫んでいる。


 俺が呆然としていると、隣で松ちゃん先輩が女ってホントわけわかんねーぜとぶつぶつ文句を言っていた。


 キラキラ光るオーラを発しながらアイドルの方々が現われた。


 5人とも整った顔立ちで、さすがアイドル名乗っているだけあるなと感心した。


 彼らはジャージを着ていたが、俺たちが着ているような学校指定のダサいジャージじゃなく、部で作ったお揃いのジャージだ。