「燈弥ー!砂で遊ぼー」
「は?小学生じゃあるまいし」
「やろうよー!結構楽しいかもよー」
面倒くさがる燈弥を引っ張って砂遊びをした。
「お山作ろう!お山!」
「山なんか砂盛り上げて終わりじゃねぇか」
「いーの!ほら早く、早く!」
ペタペタと砂を盛り上げて固めながら二人でお山を作った。
「てっぺんに貝殻付けよー」
綺麗な貝殻を拾って山のてっぺんに付けた。
完成!!
「できた!」
「簡単すぎんだろ」
「あははっ」
でも楽しかったからいいよね。
「そろそろ行くか」
「そだね」
立ち上がって一歩踏み出した瞬間、私の足はさっき作った砂のお山に躓いてしまった。
「きゃっ……」
倒れるっ…!!
とっさにギュッと目を閉じた。
でも。
…あれ?
いつまでも体に衝撃がこない。
そっと目を開けると、燈弥が私を抱きとめてくれていたんだ。
「っぶねぇ……。お前、バカだろ。作った山に躓くとか」
「あ、あははは……」
やばい。
やばいよ。
胸がドキドキして止まらないよー!!
「あーあ、せっかく作ったのに壊れてんじゃん。ほら、足洗わないといけないから早く行くぞ」
燈弥は私の左手を掴んで歩いていく。
ダメだよ…。
もう大好き過ぎるよ。



