「あ!上がったよー!」

「ホントだ!」




周りの声にはっとして空を見上げた瞬間、大きな花火が夜空いっぱいに咲いた。



「綺麗!!」



すごい!

すごい!



「かき氷こぼすなよ?」

「わかってるよー」



次から次へと打ち上げられる花火はすごく綺麗だった。



横目で気づかれないように燈弥を見ると、笑うでもなく、ただ花火をジッと見つめていた。



そんな燈弥がすごくカッコ良くって。


こんなにカッコイイ人と花火を見ていることが信じられなくて。



大好きな人と、こうして一緒にいることがすごく嬉しくて。



思わず涙が零れてしまいそうになるのをグッと堪えて、私は花火に視線を戻した。




「燈弥」


「なに」


「来年も来ようね」


「……あぁ」




来年も、これから先も。

大好きなあなたと一緒に、花火をみれたらいいね。