昨日家に帰った時、ホントはすぐにまりあの様子がいつもと違うことに気づいてた。





いつもなら、俺が帰った瞬間に飛びついてくるのに、それがなかったから。





それでも気づかないフリをした。





気になった俺は、まりあの隣に座った。




しばらくして、まりあは「ねぇ、燈弥……」と、少し震えた声で俺に切り出した。




聞き返すと、まりあは「なんでもない」と言った。




……そう、さっきみたいな、泣きそうな顔をして。





そのあと本当に泣き出したまりあ。




自分の中の何かに苦しんでいるようだった。



肩を抱き寄せ頭を撫でてやると、少し落ち着いたのか、しばらくしてまりあは、俺にしがみついたまま眠ってしまった。