「あ、そういえばさっき言いかけたことなんですか?」
「うん…その、母さんも帰ったし、
そろそろ…仲良くしたいなあと。」
「仲良くないですか?喧嘩してましたっけ?」
はっきりい言わないとわからんのかこの天然妻。
「だから…抱きたいって…」
「あ…や、優しくしてくださいね…」
赤くなりながら俺に身を委ねる
相変わらず可愛いやつ。
すかさず、触りたかった胸に指を滑らせる
「ふぎゃ~~」
「あ、ごめんなさい八起さん。」
.............
はあ
泣く子には勝てない…
今夜もお預け決定だ。
ここで一句
「腹減って
泣く子に負けて、
夜更けて
おやじいじけて
一人酒飲む」
窓から少し見える散りゆく桜を愛でつつ
新婚時代の終わりを実感した、
春の夜は更けていく…
「夜更けによーく拭け。
お
これきた?」
うっかりこぼした
酒を雑巾で拭きながら、
グフフと笑った。
七恵の泣き声と
音々のあやす声
そして俺の怪しい笑い声が
家の中で微妙なハーモニーをかもしだす。
家族ならではの賑やかさってか?
こんな家族、
出来ちゃいました。
はは、
な~んてね。
END.



