できちゃいました!(結婚しました!番外短編)

窓を開けると夜風と一緒に

ピンク色の花びらが舞い込む。


「ああ、桜か。」


「はい。お義母様が教えてくれたんです。


 いつの間にか、裏庭の桜さいてたんです。」


「そうか。音々と見る2度目の桜だ。」


「はい。この子と3人で見る初めての桜です。


 テーブルの上にお酒と食事が用意してあるんですけど、

 ここで食べませんか?」



「いいな。夜桜見ながら一杯やれるなんて、古い家も、悪くないな。」



「素敵なおうちですよ。


 あ、飲みながら寝ちゃいました。


 ちょっと寝かせてきますね。」



俺は座布団を引っ張って、ぽんと叩いて、


「ここに寝かせればいいよ。一緒に花見させてやろう。」

というと、

音々は首をかしげた。


「寝てるのに?」



「うん、ななと一緒に3人で花見しよう。」


「そうですね。」


俺はいそいそと花見の準備をし、

音々はそうっと七恵を寝かせた。


俺はきっと一生忘れないだろう

3人だけのはじめての夜を。


3人で夜桜を見たことを。