できちゃいました!(結婚しました!番外短編)

SIDE八起

「ただいま」

家に帰ると

横になっていた音々が起き上がった。


そして口元に指を当てて、「しぃっ」という動作。


小さな布団にすやすや眠る七恵。


音々は立ち上がりそうっとその場を離れた。


退院してから昨日まで、一週間。


俺の母親が来て、甲斐甲斐しく孫の世話や、

家のことをしていたせいで、

親子3人の時間は初めてだった。


「母さん帰った?」


「はい、すぐまた来るそうですけど。」


「全く、悪かったな音々。」


「いいえ、ありがたかったです。


 私には母はいないですから、

 ちょっと甘え方がわからなかったですけど。」


「そうか。」


そういって顔を近づけ音々にキスした。


「しばらくこれもできなかっただろ?」


音々は赤くなりながら、

「はい」


と言って俯いた。


そしてもう一度キスをした。


今度は甘くて、もっと深いキスを。