できちゃいました!(結婚しました!番外短編)

そしてその夜、八起さんは病室に泊まった。


『付き添いはいらないから』

そういう看護師さんの言葉を無視して

無理やり病室にとどまった。


看護師さんは渋々ブランケットを貸してくれた。


四月とは言えまだ寒いのに八起さんは

スチール椅子を並べてブランケットにくるまり私の隣に横になった。


赤ちゃんは新生児室に預けられてるので私と八起さんは二人きり。


「これからが大変だな?」


「はい。」


「音々。俺さ、まだ音々に言ってなかったな。」


「何をですか?」


「俺の奥さんになってくれてありがとう。」


「何をいまさら言ってるんです。」


「聞けよ。

 俺は、一生結婚なんかしないと思ってたし、

 家族なんていらないって思ってた。


 面倒だし、

 責任なんて重くて嫌だって思ってた。

 けど、」


「けど?」


「音々が来てから、

 俺は変わったんだ、

 音々を自分のものにしたかったし、

 家族になりたいと思った。


 そして、二人の子供が欲しいと思った。


 音々


 愛するって気持ち俺にくれてありがとう。


 側にいてくれてありがとう。


 七恵を俺の子供にしてくれてありがとう」


や、八起さんか、かっこいい

一生忘れられないあなたからの告白ですね。


忘れない…

あ、そうだ!


「八起さん…あ、ちょっと待ってください。」


私は引き出しを開けガサガサとする。