目の前を子供神輿が広場にやってきて、

にわかに騒がしくなった。


太鼓と笛の音、声を揃えて担ぐ声、

弾けるエネルギーと笑い顔


未来を持つ小さな存在はこんなにも

人の心を和ませるんだな。


俺は自然と音々のお腹に視線を落とした。


きっとコイツもすぐにあんなふうになるんだろうな。


俺の視線に気づいた音々が甘い笑顔を作る。


しばらくないだろうふたりだけの祭りの夜。


生まれてくる命を感じながら

ふたりの時間を惜しんだ。



そんな夜だった。