ああ言う事を したのは初めてだったから。

そう言うと、海崎は明るく笑って、許してくれた。

だが、俺の胸に残るのは、罪悪感。

その言葉は、半分 嘘で、半分 本当だ。

女とキスを したのも、彼女も、海崎が初めてだ。

でもキスが初めてかと言われると……そうじゃない。

――抗えない力。

その中で、必死に生きて来た中で、俺は既に経験してしまっている。