「皆さん、入学式お疲れ様でした。」

担任は、田中と言う女教師だった。

「それじゃ、出席 確認しま〜す。」

彼女は名簿順に名前を呼んで行く。

(……良かった、ちゃんと話せた……。)

ホームルーム等そっちのけで、私は心の中で ガッツポーズを作った。

「桜 海崎さん。」

「……ぁ、はいっ。」

慌てて返事を する。

いけない いけない。

入学式 早々、恥を かくとこだった。

「……あら?其処は休みかしら?」

田中先生は、私の後ろを指差す。

私の後ろの席は、ぽっかりと空いていた。