「……ほっといてくれ。」
俺は顔を上げない。
そんな俺の肩を、曽根倉は ぽんぽんと叩く。
「無理だ、って、どうゆう意味だよ?」
「そのままの意味だ。」
ぶっきら棒に答える。
俺を心配してくれる、大切な友達に、冷たくするのは辛い。
でも、こうしていれば、いつか来る別れの時に、昔のような、胸を引き裂かれるような想いを、しなくて済むんだ。
しかし、どんなに辛く当たっても、この幼馴染みは、離れて行かない。
「お前さ、隠してんの ばればれだぜ?ちょっとは自分の気持ちに正直に なれよー。」
解っている、そんな事。
でも俺は――怖いんだ。


