ただただ目を閉じ、風が俺の髪を攫うに任せる。

涼やかな、風。

この風が、こんなにも汚れた俺を、浄化してくれたら良いのに。

そう思った時。

「……椎名。」

幼馴染みの、声が聞こえた。