「……椎名?」

海崎の後ろ姿を じっと見つめていた椎名は、次の瞬間、ぎっと俺を睨んだ。

「余計な事を するな!!」

「よっ、余計な事って何だよ!?てか何で断ったんだよ!?」

俺が早口で まくし立てると、椎名は何か言おうとして……口を閉じてしまった。

「……お前が余計な事を しなければ、桜が傷付く事は無かった。」

低い声で呟くと、椎名は銀髪を翻して、その場を去って行った。