「おいっ、曽根倉 離せって。」 散々 抵抗する椎名を、俺は海崎の前に突き出した。 そして脱兎の如く、逃亡する。 角を曲がると、其処には舞と葵。 「お疲れ様。」 「あいつ力つえーから、引っ張って来んの苦労したぜ。」 俺は額の汗を拭いながら、舞達と一緒に、こっそり海崎達を盗み見た。 引っ込み思案な彼女の恋が、叶うと良いな、なんて思ってしまう。