「迎えにって……まさか、俺の事を、まだ……?」

「何 馬鹿な事 言ってるの?そうじゃなきゃ、キスなんて しない。」

「海崎。」

翔織は微かに眉を顰めた。

「はっきり言わなかった俺が悪かったが……海崎には、もっと別の人と結婚して、幸せに なって欲しいんだ。」

「私は、翔織 以外の人と結婚しても、幸せになんか なれない。」

そう言うと、何故か翔織は、意地悪な笑みを浮かべた。

「……俺 以外の奴と、付き合っていたくせに?」

「つっ、付き合ってなんか いない!!」

何で ばれたのかと慌てていると、翔織は わざと拗ねたような顔を した。

「嘘つけ。キスが上手くなってる。」

「!!」

「ぶっ。」

私は驚いて固まってしまい、慶、葵、渡辺君の3人が吹き出した。

「そ、それは……。」

「俺なんて、忙しかったのも在るが、海崎 以外の女を愛すなんて、出来なかったのに。」

「違うよ!他の人と付き合って始めて、やっぱり翔織しか居ないって……。」

慌てて抗議すると、翔織は意地悪な笑みを引っ込め、綺麗に笑ってくれた。

「解ってる。」

しかし直ぐに、真面目な顔に戻る。