「……海崎……?」

「……翔織……?」

私達は同時に、相手の名を囁いた。

慶達が息を飲む。

ぶつかった男性は、キャップ帽とサングラスを外した。

ぱさりと広がる さらさらの髪。

暗い光を僅かに残した、紅い瞳。

大人に生長した翔織の姿が、其処には在った。