「――――っ!!!!」
アルコールの匂いが する苦い唾液が、俺の口の中に流れ込んで来て、俺は喉の奥で悲鳴を上げた。
――怖い、怖い、怖い。
必死に祐貴さんの胸を叩くが、大の大人の前では、俺なぞ非力な子供だった。
祐貴さんは俺から口を離すと、俺のズボンのベルトを、外し始めた。
「……ゆっ……祐貴さ……っ。」
「大丈夫だよ。俺が、何も解らなくなる迄、漬け込んで やるからさ。」
恐怖で動けなくなる。
必死に辺りを見回して。
震えながら俺達を見ている佑美さんと目が合った。
「……ゆ、みさ……。」
――助けて。
俺が必死に手を伸ばすと、彼女は ひっと悲鳴を上げて、部屋を飛び出して行ってしまった。
――見捨てられた。
絶望が、躰を蝕んで行く――。
涙が込み上げて来て、祐貴さんの顔が、ぼやけた。
その後は、殆ど憶えていない。
ただただ、気持ち悪くて、辛くて、苦しくて。
空っぽの胃から胃液を吐き続けて、必死に耐えていた――。


