その日、帰宅すると、祐貴さんは俺の腕を掴み、壁に押し付けた。
酒臭くて、俺は僅かに顔を顰めてしまう。
祐貴さんは、下卑た笑みを浮かべた。
「俺は今日、最高に気分が悪いんだ。」
その瞳に、今迄に無い光が宿っているのを見て、俺は息を飲んだ。
……何?
何を、される……?
次の瞬間、天と地が引っ繰り返って。
気が付くと俺は、布団の上に押し倒されていた。
「――!!」
祐貴さんが上に乗って来て、俺は上げそうに なった悲鳴を必死に噛み殺した。
「……お前が いけないんだぜ、翔織。」
祐貴さんの異様な状態に目を瞠る。
「お前が、そんな可愛い顔で、俺を誘うから――!!」
次の瞬間。
祐貴さんの唇が、俺の唇に、無理矢理 押し充てられていた。


