祐貴さんが訪ねて来てから、俺の平凡な日々は破壊された。

いつか、こうなる事は、覚悟していた。

その前に1度、両親と住んでいた この町を見ておきたくて、親友に会いたくて。

俺は此処へ帰って来た。

こんなに早く、別れが来るなんて知っていたら。

海崎を彼女に する事は、無かった筈だ。

一時でも幸せな気持ちに なれれば。

もう、殺されても良い。

そう思っていた俺は……もう居ない。

居るのは……優しさに縋り付く、弱い自分。

海崎が俺を、変えたんだ。

こんな弱い俺を、俺は どう護れば良い?

1度 優しさに触れてしまった俺の心は、もう、圧力に耐えられず、ぼろぼろと崩れてしまう。










まだ、死にたくない。

でも、俺は祐貴さんから、逃げる事は……出来ない……。