――…………ら。

耳元で聞こえる、声。

――大丈夫。何も解らなくなる迄、可愛がってやるから。

無理矢理 押し当てられた、ぶよぶよした唇。

躰が、動かない。

苦しい、苦しい。

……誰か、助けて……。

何度も投げ付けられた、辛い言葉。

――銀髪に紅い瞳なんて、不吉だ!!

――忌み子だ!!

……俺は独りだ。

助けてくれる人なんて、居ない。

嬲られて、
虐げられて、
蔑まれて。

そうやって生きて行くしか、無い。

死にたい。

でも、死ぬのは怖い。

――お前が生きていなければ、俺達は幸せに なれたんだ!!

振り下ろされる言葉と、包丁。

――死にたくないっ!!