「椎名〜、お前の番だってば〜。」

「五月蝿い。もう寝るって言ってるだろ。」

そう言って布団を被ってしまう椎名を見て、俺と渡辺は笑ってしまう。

夜、俺達は部屋で、王様ゲームを やっていた。

「じゃあ、1つだけ教えてくれ、椎名君。」

渡辺の言葉に、椎名は答えない。

しかし渡辺は臆する事 無く、言葉を紡ぐ。

「桜さんとは、キスしたのかい?」

「ぶっ。」

布団の中で、椎名が吹き出す。

それを聞いて、渡辺は楽しそうに微笑んだ。

「じゃ、ヤったのかい?」

「ヤってない。」

おっと、即答。

「渡辺、お前、何が訊きたいんだ?」

俺は興味 本位で渡辺に尋ねた。

「別に。只、桜さんを好きな身として、何処迄 行ったのか知りたいだけだ。」

「ぶふっ。」

これには俺も吹いてしまった。

「おまっ、彼氏の前で堂々と……。」

「負けを認めてなきゃ、俺だって こんな事 訊かないさ。」