「ちゃんと風呂 入ったのかよ。」
「入ったさ。あの水が絶対 腐ってたんだ。」
曽根倉君の質問に答えながら、翔織は、咳が掛からないように、布団を鼻迄 引き上げた。
「熱は何度 在るんだ?」
「39度。大した事 無い。」
「お前、たかが風邪で そんなに熱 出して……ヤる時やべェんじゃねェの?」
「やるって何がだ。」
そんな男子の会話に、私と葵ちゃんが赤面する。
次いで翔織は、舞ちゃんと葵ちゃんを睨んだ。
「お前は兎も角、何で お前達迄 居るんだ。」
「興味 本位。」
「いつも平然と してる あんたが、苦しんでる所を見とこうと思って。」
女子2人の発言に、翔織は ちっと舌打ちした。
「お前、飯 食ってっか?風邪ひいた時こそ食わねェと、治るもんも治らねェぞ。」
曽根倉君の言葉に、ぷいっと顔を逸らす翔織。
それを見て、私は立ち上がる。
「もぅっ。お粥 作るね。台所 借りるから。」
「ちょっ、みさ――。」
慌てて起き上がろうとした翔織を、曽根倉君が押さえ込む。
「はいはい、我が儘 言わないのー。」
「誰が我が儘だ!」
2人の会話を聞きながら、私は台所へと向かった。


