その姿を見て、息を飲んでしまう。
寝癖が付いたままの銀髪。
長い前髪は汗で額に張り付いている。
熱が高いのか、その紅い瞳は僅かに潤んでいて。
寝間着なのかジャージ姿。
その姿は、ぞっとする程、色っぽかった。
翔織は翔織で、曽根倉君達を見て目を丸くする。
そして、私を睨んだ。
「……海崎。」
「そんな目で睨まれても怖くない。」
「こいつ……っ。」
私が笑うと、翔織は悔しそうな顔を する。
「俺達が勝手に跡つけただけだよ。」
曽根倉君は そう言いながら、勝手に ずかずかと家の中に踏み込む。
「おい、曽根倉!」
そう言った翔織は手で口を覆い、顔を背けて ごほごほと咳き込んだ。
「……移る、から……。」
「堅い事 言うなって。」
曽根倉君は そう言うと、熱で弱ってる翔織を抱えて、敷いてあった布団に投げた。
「……っ!」
咄嗟に受け身を取った翔織は、それで力 尽きてしまったのか、布団の上で溜め息を ついた。


