この時間帯は人が多くて歩きにくい。 ようやく信号が変わっても、あまり前に進めない状態だった。 横断歩道を抜けると、やっと自分のペースで歩けるようになった。 早く帰らないと...それだけを思いながら歩いていると 「お嬢さん」 「...」 トントン、と肩を叩かれて振り返ると、見たことのない男の人が立っていた。